振り返りたくなる屋根のカタチ
- 2019.11 |
子供が家の絵を描くとき、大抵は三角屋根の家を描く。それだけ屋根のカタチは、家の見た目の印象に影響し、人の目を引くものだ。
屋根のカタチにはいくつか種類があり、いずれも屋根の勾配や軒の出で印象が大きく変わってくる。地上から見上げる屋根は、その勾配を緩くすると見えにくくなり、勾配を急にするとしっかりと見える。最近では、緩勾配にして屋根を見せず、軒の出も少なくしたデザインの家を多く見かけるようになった。ただ、屋根の勾配で雨の流れる量が決まるので、緩勾配にするときは注意が必要。上手く流れる勾配にしておかないと雨漏りの原因になるからだ。
3寸勾配ぐらいあると雨の流れの心配もなく、家のカタチがきれいに見えるのでおすすめ。このほか屋根をまったく見せないキューブ型や、最近は太陽光発電をのせるために切妻屋根、片流れ屋根にして面積を大きくとる家が増えている。コスト面でいくと切妻や片流れの屋根より、寄棟の屋根の方が工事費はかかる。家の4面すべてに軒が出るため、外壁が雨だれなどで汚れにくいというメリットもある。
個人的には寄棟で軒が大きく出ている家なんかは、とてもかっこいいと思う。同じ坪数の家と比べても軒が出ている方が大きく感じる。その分、強風などであおられないように補強は必要で工事費もかかってきてしまうが、とても魅力的な家だと思う。このように屋根の形状によって外観の印象が大きく変わってくる。これから先も勉強を重ねて、気になって振り返ってみてもらえるような家を造っていきたい。
(住まいの提案 熊本。18号 家づくりの舞台裏 掲載)