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あの時の失敗に感謝。

  • 2019.11 |

高校卒業後、18歳~30歳まで、自分は大工として現場で仕事をしてきた。現在は工務として現場の進行を管理する立場にあるが、大工としてひと通りの仕事をできるようになってきた7~8年目の時、大きな失敗を犯してしまった。

請負仕事の現場、床の建材にボンドを残していたことが原因で、引き渡し後に床を総張替せざる得ない事態が起きてしまった。「大丈夫だろう。よしっ次」と軽い気持ちで行動してしまったことが原因だが、結果、大きな損失を取引先と会社に与えてしまった。自分自身、1ヶ月で当時5~6キロ痩せてしまったほど、精神的に堪えた出来事だった。すべては自分に、大工として驕りの気持ちがあったからだと反省している。

この時の経験は、自分の家づくりや物づくりに対して、その後も教訓として深く考えさせられる出来事になった。仕事で妥協すれば、その時は早く終わって良いが、あとで「あそこどうだったかな、大丈夫だったかな」と心配でたまらない。「妥協すれば、後悔につながる」。大事なことを学んだ。良い意味で今の家づくりに生かせていると思う。あの時、失敗していなければ、今みたいな考えに至らなかったと思う。

工事が終わった物件の近くを通った時、「あそこはこうだったよな~」「あぁだったよな~」と、一軒、一軒に思い出が残る家を作っていきたい。そして、「沢工匠に頼んでよかった」と言ってもらえる家を建てていきたい。

 

(住まいの提案 熊本。11号 家づくりの舞台裏 掲載)